水素ドローンの課題と協議会の目的

多くの技術的・社会的課題の解決に向け一体的な取組みが必要です。協議会が中心となり、国・地域・関連メーカー間の連携を図り、水素ドローンの早期社会実装を目指します。

水素ドローンの技術的課題

  • ① 飛行安定性の向上

    現在流通している燃料電池ユニットは小型高性能ですが、出力が一定であり、急な要求電力の変動に追従する能力は高くありません。一般的にドローンは出力変化が激しく、燃料電池として出力変動に対応しきれないため飛行安定性が低下します。本問題の解決にあたり技術開発が必要であり、具体的には、リチウムイオンキャパシター等を利用した出力変動アシスト技術の開発が必要です。

  • ② 長距離、高高度でも耐えられる発電能力の安定化

    長距離・高高度の環境下においては、低温かつ低湿度の状況となり、燃料電池は出力が低下することがあります。そのため、軽量かつ環境温湿度変化に対応する付加装置の開発が必要です。

  • ③ 安全な空中利用水素高圧ガス容器の開発・認証

    水素ドローンの性能向上には安全、強靭、軽量な水素高圧ガス容器(Type4)の開発が必須です。形状や搭載方法による飛行性能の違いをシミュレーションの上、最適な容器を開発すると共に、きちんと認証が取れる体制を整備する必要があります。

水素ドローンの社会的課題

  • ① 高圧水素充填装置・設備の新設

    日本の一般的な水素充填方法では水素圧力は19.6MPsですが、これを29.4MPsとすると飛行時間が約1.5倍になります。高圧充填設備を新設し、許可を頂く事で普及の後押しになります。

  • ② 制度の整備と、社会的受容度向上

    水素を日常生活や産業活動でエネルギー源として使用することを前提とした制度整備が必要です。平行して社会的な受容度を高めていく事が必要になります。